ラノベ空間 │ラノベレビューサイト

血沸き肉躍る!最高の興奮が味わえるバトルファンタジー5選

皆さんはバトルファンタジーがお好きですか?剣に魔法に肉弾戦……真の強さを求めて強敵に挑むキャラの姿は、真っ赤に燃え上がる闘志でもって、読者を虜にしてやみません。

今回はバトルファンタジーライトノベル5選をご紹介します。

トリニティ・ブラッド Reborn on the Mars 嘆きの星


Product Image

4.1977

著者吉田直
イラストTHORES柴本
レーベル角川スニーカー文庫
発売年月2001年3月

夭折した吉田直の代表作『トリニティ・ブラッド Reborn on the Mars: 嘆きの星』は、人類の生存圏が欧州の一部地域に限られた遠未来を舞台に、人類と吸血鬼の生存競争を描いたバロックオペラ。

教皇庁所属の派遣執行官アベル・ナイトロードとシスターエステルのコンビが、両種族の和睦を模索しながら様々な国を旅する本作の見所は、壮大なスケールの異能バトル。

残忍無比な吸血鬼から無辜の民を守る為、凄まじい死闘に身を投じる派遣執行官たちの活躍は、全員キャラ立ちまくりで震えるほどかっこいいです。

中でも主人公アベルは別格。

大量の角砂糖を投入しコーヒーをゲル状の何に変える異常な甘党、極度のお人好しで天然ボケ、おまけに牛乳瓶底眼鏡の貧相な見た目と来て、まるで強そうではありません。されどそれは仮の姿、吸血鬼を狩る吸血鬼、クルースニクのコードネームは伊達じゃないと証明してくれます。

アベルが追い続ける宿敵の意外な正体、エステルの出生の秘密も、波乱万丈なストーリーを盛り上げてくれました。教皇庁きっての女傑・カテリーナの采配も見事で、クセモノ揃いの執行官を束ねる辣腕ぶりに惚れ惚れ。

筆者のお気に入りはワイルドなレオン神父とインテリのウィリアム神父。天真爛漫なカーヤに僕っ娘セスなど、渋いおじさまから愛くるしいロリまで幅広いキャラを取り揃えているので、読めば必ず推しが見付かるはず。黒幕打倒を目的に敵と共闘に至る熱い展開も多く、種族を超えて育まれる信頼や固い絆に、胸が熱くなりました。

物語は区切りの良い所で一段落したものの、作者の早逝に伴い続きが読めなくなったのが返す返すも惜しまれます。

本作が気に入った方は、前日憚の短編集に当たる『トリニティ・ブラッド R.A.M』の方も押さえてください。

ラグナロク:Re 1. 月下に吼える獣


Product Image

0

著者安井健太郎
イラスト巖本英利
レーベルオーバーラップ文庫
発売年月2018年4月

角川スニーカー文庫未完の名作『ラグナロク』をリブートした本作は、フリーランスの傭兵リロイ・シュヴァルツァーと、その相棒の喋る剣・ラグナロクが暴れ回るバトルファンタジー。

端正で硬質な文体が紡ぎ出す骨太アクションはソリッドな読みごたえ抜群。全体にハードボイルドな雰囲気が漂っており、浅井ラボ『されど罪人は竜が踊る』が好きな人にもおすすめ。世界観は『FF7』にも通じ、人によっては懐かしさを覚えるかもしれません。

闇の種族と人類の対立が影を落とす世界において、伝説の大剣を振り回し敵をぶった斬るリロイの無双シーンは痛快の極み。たびたびリロイの行き先に現れる美貌の暗殺者・レナのクールな存在感や、大企業の思惑にも注目です。

銀髪長髪の美青年(ホログラム)に変身できるラグナロクと、万事において直情径行なリロイの掛け合いも見所で、暇さえあれば喧嘩する仲の悪さにニヤニヤが止まりません。

筆者のお気に入りはリロイの元相棒で皮肉屋のジェイス。ある事件がきっかけで裏切り者の汚名を着せられ屈折してしまった彼の姿は、痛々しくて目が離せませんでした。

BLACK BLOOD BROTHERS 1 —ブラック・ブラッド・ブラザーズ 兄弟上陸—


Product Image

3.9627

著者あざの耕平
イラスト草河遊也
レーベル富士見ファンタジア文庫
発売年月2004年7月

あざの耕平『BLACK BLOOD BROTHERS』は、吸血鬼と人間が密約を結んで暮らす特区を舞台に、吸血鬼の望月ジロー&コタロー兄弟の戦いを描くバトルファンタジー。

己の血統を何より重んじ、様々な特殊能力を発現する吸血鬼が起こす事件は、たびたび特区の秩序を脅かします。それを解決するのが調停員・葛城ミミコ。

吸血鬼と人類の共存の可能性を模索し、傷付き悩みながら前に進む彼女の泥臭さが、本作の希望となっているのは間違いないです。

望月兄弟が帯びた過酷な宿命が特区、ひいては世界の命運を左右する展開はドラマチックで、双方とも譲らぬ信念を持った敵味方の激突に、熱い血潮が滾りました。

ジローが凄腕日本刀使いなのもポイントで、トレードマークの赤いコートと白刃を翻し、夜の帳が下りた特区を駆ける姿は最高にかっこいいです。彼を補佐するミミコやコタローの頑張りにも拍手を贈りたくなりました。他、戦闘狂のゼルマンや東の龍王セイなど、登場するだけで空気を塗り替える強キャラには事欠きません。

全17巻で綺麗に完結しているのも読者には嬉しいです。

流血女神伝 帝国の娘 (前編)


Product Image

0

著者須賀しのぶ
イラスト船戸明里
レーベルコバルト文庫
発売年月1999年7月

コバルト文庫から刊行された須賀しのぶ『流血女神伝 帝国の娘』は、「女神の娘」の宿命を背負った少女を巡る、世界規模の動乱を描いたバトルファンタジー。

流血女神とはザカール人が信仰する女神・ザカリアのことで、契約者の願いを叶える代わりに、その者の命の次に大切にしているものを奪うと言われています。

女神の娘とはザカリアの器に選ばれた人間のこと。平凡な一生を送るはずだった主人公・カリエもまた、ザカリアに魅入られたことで運命が狂い、病弱な王子の替え玉に仕立てられます。

されどいかなる時も絶望に心折れず、不撓不屈の精神力と機転でもって、逆境を切り開いていくのが彼女の強み。

困難を打破するたび逞しくなるカリエをそばで支える従者・エドの忠誠心も、殺伐としたストーリーを照らしてくれます。

本作を至高のバトルファンタジー足らしめているのは、騎馬と歩兵が入り乱れる合戦シーンの迫力。国同士が総力を挙げ激突する戦争描写には、最高にエキサイティングな躍動感が漲っていました。

異修羅 I 新魔王戦争


Product Image

3.4628

著者珪素
イラストクレタ
レーベル電撃の新文芸
発売年月2019年9月

カクヨム発の異世界バトルファンタジー『異修羅』。単行本では新たな登場人物やエピソードが追加され、さらにストーリーのボリュームがアップしています。

本作最大の見所は規格外の強キャラが激突するトーナメント。「全員が最強、全員が英雄、一人だけが勇者。」のキャッチコピー通り、誰が勝ち残るか全く読めず、ページをめくる手が止まりません。

参加者それぞれの背景を掘り下げ、感情移入を促す構成も巧み。異世界から召喚された剣士・ワイバーンの冒険者・天使と契約した聖職者・絶対零度のブレスを吐くドラゴンなど、種族問わず多彩な顔ぶれが揃っている上、誰も彼もが負けず劣らず魅力的なので推しを一人に絞れないのが悩ましいです。

それはとりもなおさず誰しも勝ち残る目があるということ。

対戦カードの組み合わせ次第では優勝候補すら序盤で脱落する番狂わせが起き、まさかのどんでん返しにボルテージは急上昇。

参加者の武勇にちなむ異名や詩術の詠唱も中二全開の世界観とマッチしており、ワクワクが膨らみました。

筆者の推しは静寂なるハルゲント。彼と星馳せアルスの友情には涙腺が決壊しました。

まとめ

以上、バトルファンタジーライトノベル5選の紹介でした。細部まで作り込まれた重厚な世界観と戦闘描写の融合が、このジャンルの醍醐味ですね。

国の趨勢を左右する陰謀、絵的に派手な異能バトルが楽しめるのも、絶大な人気を誇る理由でしょうか。

皆さんもここで取り上げた小説を読んで、主人公の生死を見届けてください。


Amazon Kindle Unlimited




hutami

hutami

埋もれてる名作を掘り起こしたい。 ラノベランキング&クチコミサイト「ラノベ空間」運営。 あなたの感想をお待ちしてます(登録不要) サイト:http://hutami-blog.com Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/@user-dx3wl7bk4y ご連絡はxまで。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。