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【2024年7月最新】おすすめの百合ラノベ15選!見どころを一挙ご紹介

今回取り上げるのは「百合」を扱った作品です。
百合作品では、女性同士の恋愛や親密な関係が描かれています。女性同士だからこその可愛さ、儚さ、尊さを楽しめるのが魅力です。
その人気はライトノベルにも広がっており、百合を扱った作品は数を増やしています。
しかし作品の数が多いからこそ「面白い百合作品を知りたい」「自分の好みに合った百合作品が読みたい」と思いますよね。
本記事では、様々な要素を併せ持ったおすすめの百合ラノベをたっぷり15作品ご紹介します。
ぜひ、自分の興味にあった作品を見つけてください。

女同士とかありえないでしょと言い張る女の子を、百日間で徹底的に落とす百合のお話


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3.9165

著者みかみてれん
イラスト雪子
レーベルGA文庫
発売年月2020年2月

本作品は、百合に興味のなかった鞠佳が、絢によって百合に目覚めさせられていく物語です。かなり刺激的な女の子同士の触れ合いを堪能できます。

見どころ①:刺激的なストーリー展開

本作品の見どころの1つ目は「百合に落としていく」ストーリー展開です。
本作品はかなり強烈なタイトルですが、誇張は一切なく、タイトル通りの物語が展開されていきます。
端的に述べると、女の子同士の触れ合いに興味のなかった鞠佳が、絢によって調教されていくのです。
絢はまず、鞠佳の価値観を変えるため、鞠佳に百合漫画や女性同士のAVを見せます。それと並行して、スキンシップを行い、鞠佳に体からも女の子同士の良さを刷り込ませていくのです。スキンシップは、頭を撫でることから始まり、やがてボディタッチへと進んでいきます。
そして、物語が始まって間もない段階で、絢は鞠佳の胸を触るところまでいくのです。
このように、絢は圧倒的スピード感で鞠佳を攻略していきます。
こんな早さで胸を触る段階まで進むのですから、軽めのボディタッチで終わるはずはありません。肌の触れ合いはどんどん濃密さを増していきます。ボディタッチは愛撫へと変わり、さらにはその先まで進んでいくのです。
このように、本作品では、タイトルを見て興味を持った方の期待を裏切らない展開が描かれています。
「百合に落とされていく」というような展開が好きな方や、刺激的な百合が好きな方には、ぜひオススメしたい作品です。

見どころ②:体から始まり心も繋がっていく百合

本作品の見どころの2つ目は、心情の変化も丁寧に描かれている点です。
怒涛の攻めを繰り出す絢ですが、物語が進むに連れて、そんな絢の内面も徐々に表れていきます。
学校では孤高なクールビューティーのように見えていた絢の心境や、素直に鞠佳を褒める「かわいい」など、新たな絢の一面が明らかになっていきます。
そして、絢の新たな一面を知っていくにつれて、鞠佳の絢に対する気持ちも変化していくのです。
さらには、絢に別の女の子の影が見えるや否や、鞠佳の胸にはモヤモヤとした感情が湧き上がっていき……といった展開も描かれています。
このように「徹底的に落とす」という物騒なタイトルではありますが、関係の変化に伴う心の移り変わりも楽しめる作品に仕上げられています。
「心にもない相手に一方的に迫られるような展開はちょっと……」といった方も安心して読んでいただける作品です。
「体から始まって、心も繋がっていく」そんな百合を楽しみたい方にもオススメです。

見どころ③:コミカルなモノローグや掛け合い

本作品の見どころの3つ目は、おもしろおかしいモノローグや掛け合いです。
本作品においても、みかみてれんさん特有のコミカルでかわいい文章表現が存分に展開されています。
鞠佳は、明るくコミュニケーション能力が高い女の子です。
そんな鞠佳のモノローグや掛け合いは、快活で思わず笑ってしまうような部分もあり、読んでいて楽しい気持ちになれます。
鞠佳の一人称視点で進んでいく本作品は、官能的な雰囲気だけでなく、コミカルな雰囲気も楽しむことができます。
コミカルとラブを両方味わいたい方にも、自信を持ってオススメできる作品です。

ステラ・ステップ


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4.0488

著者林星悟
イラスト餡こたく
レーベルMF文庫J
発売年月2023年1月

本作品は、空虚な心を持つレインが、ハナとの出会いによって少しずつ変わっていく物語です。過酷な世界の中で、胸が温まるような百合が展開されていきます。

見どころ①:兵器として扱われる「アイドル」たち

本作品の見どころの1つ目は、世界観です。
本作品には「アイドル」が登場します。しかし、彼女たちは、私たちのイメージするアイドルとは似ても似つかない存在なのです。
本作品の世界観について端的に述べると、世界がアイドルに対して厳しすぎます。
なんと、この世界におけるアイドルは、兵器と同義です。各国が代表のアイドルを選出し、領土や資源をかけ、パフォーマンスの出来栄えで勝敗を争うのです。
勝てないアイドルは、使えない兵器のごとく、用済みとして国から見放されてしまいます。
また、民衆は、アイドルのパフォーマンスにおける勝敗にしか興味がありません。つまり、アイドルのパフォーマンス自体を見る人は誰もいないのです。
このように本作品では、パフォーマンスで人の心を動かせないどころか勝たなければ自分の身すら危うい状況で、アイドルたちは歌って踊ることを強要されるのです。
さらに、物語が進むにつれて明らかになっていく真実により、さらなる世界の残酷さが露呈していきます。
そんな絶望的な世界の中で、輝き続けようとする女の子たちの姿が、本作品の見どころの1つです。

見どころ②:虚無の心を満たしていく百合

本作品の2つ目の見どころは、胸が温かくなるような百合です。
主人公であるレインは、砂の国が誇る無敗の最強アイドルです。しかしその反面、アイドルとしてステージに立ち、勝つことにしか興味がありません。アイドル以外のことに関しては、いつの間にか記憶から消えてしまうほどに、無頓着なのです。
そんなレインは、ある日アイドルを目指す少女「ハナ」と出会います。
ハナは、アイドルが形骸化した世界で、心を込めて歌い笑顔を振りまきながら踊りました。つまり、勝つためではなく観客を喜ばせるためのアイドルとして、パフォーマンスをしたのです。
そんなハナとの出会いが、レインを変えていきます。
空っぽだった心に、熱が灯っていくかのごとく、少しずつレインに変化が現れていきます。
アイドルとしてパフォーマンスすること以外にも興味を示していき、やがては自身がアイドルを始めた理由や今に至るまでの軌跡も思い出していきます。そしてレインの変化は、世界を揺るがす大きな行動へとつながっていきます。
冷え切ってしまった心が温められていく、そんな百合を楽しみたい方にぜひオススメです。

見どころ③:明暗が繰り返され続ける展開

本作品の見どころの3つ目は、二転三転する展開です。
本作品は、レインがハナと仲睦まじい交流をしていくだけの作品かというと、そうではありません。世界がレインたちを襲います。
「一歩前進したかと思えば、世界の真実が明らかになり、一気に空気が重くなる」そんな光と闇の転換が繰り広げられていきます。その転換の激しさは、まるでフリーフォールに乗っているかのようで、もはや感情がついていかなくなります。
最後の最後まで油断することはできません。
やっと見えた一筋の光さえも絶望に飲み込まれ途絶えそうになる、そんな物語を味わいたい方にも、オススメできる一作です。

『人斬り』少女、公爵令嬢の護衛になる


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著者笹塔五郎
イラストミユキルリア
レーベルGCN文庫
発売年月2023年10月

本作品は、シュリネが護衛として、公爵令嬢のルーデシアを守るために戦う物語です。熱い戦いや信頼関係から始まる百合を楽しめる作品です。

見どころ①:強くてかっこいいシュリネ

本作品の見どころの1つ目は、シュリネの圧倒的な強さです。
端的に言って、シュリネは相当強いです。常人ならざる強さで、左右から3人ずつ迫ってくる敵を瞬殺してしまいます。
また、高い気配察知能力や魔法を使用した斬撃なども有しており、それらも組み合わせて敵を薙ぎ倒していきます。
さらには、強靭な精神力も持ち合わせています。戦闘中、シュリネの精神的優位は揺るぎません。シュリネの方が劣勢なはずなのに、気がつけば相手の方が焦り始めてしまう始末です。
このように、シュリネは圧倒的な強さを持っています。
強くてかっこいい女の子が好きな方には、ぜひオススメです。

見どころ②:どんな状況でも勝ちを疑わないシュリネに燃える

見どころの2つ目は、読んでいて熱い気持ちになれる展開です。
本作品では、シュリネがルーデシアを狙う刺客たちと死闘を繰り広げます。
時には不利な状況で、時には満身創痍な体で、シュリネは敵に立ち向かうことを強いられます。
しかし、どんなに絶望的な状況でも、シュリネは諦めません。
「死んだらそれまで。でも今はまだ死んでいない。それならば、勝つことのみを考える」そんな精神で、勝ちを疑わず、勝つための方法を模索し続けます。
そんなシュリネの姿に、胸が熱くなること間違いなしです。
手に汗握る熱い戦いを見たい方にもオススメできる作品です。

見どころ③:信頼関係が紡ぐ百合

本作品の3つ目の見どころは「信頼関係から始まり、より親密な間柄になっていく」百合です。
シュリネとルーデシアは、護衛と雇い主の関係ということもあり、イチャイチャするような展開にはなりません。
しかし2人の心は、時間の経過とともに、通じ合っていくのです。
ルーデシアは、身を挺して自分を守り、その上自分の意志を尊重してくれるシュリネに信頼を寄せていきます。
シュリネもまた、自分の身を危険に晒してまでも、正義のための行動を選択するルーデシアに好感を抱いていきます。
そんな2人の心の距離は、少しずつ、しかし確実に近づいていくのです。
体の触れ合いはないにもかかわらず、心が通い合っている、そんな百合を楽しむことができます。
そして最後には「戦いの先にある百合」が描かれており、百合好きな方も満足できること間違いなしです。

邪悪なモンスター『人間』を殺してレベルアップ!〜虐げられ全てを奪われた私は、ダンジョンになった学園で化物と戦う力を手に入れました。復讐も人助けもやりたい放題です〜

本作品は、周囲から虐げられていた依里花が、突如特殊な力を手に入れたことで、復讐を始めていく物語です。

見どころ①:あまりにも「真っ黒」な世界

本作品の見どころの1つ目は、世界観です。
本作品は、ダンジョンと化した学校の中で、死と隣り合わせの中脱出を目指す物語です。
しかしながら、モンスターの脅威だけではなく、人間の負の側面も強く描かれています。
そんな本作品の世界を一言で表すのであれば「真っ黒」です。
どういうことかイメージしやすいように、冒頭のあらすじを簡単にご紹介します。
まずこの作品は、主人公である依里花が男子学生から暴行を受けている場面から始まります。その後なんと、依里花はお守りとして携帯していた包丁で、反撃に転じるのです。しかもただ刺すのではなく、弄ぶかのように、わざと急所を外して何度も何度も刺し続けていくのです。そうして男子学生を殺害すると、自分が謎の力を手にしていることを知ります。そして依里花は、与えられた力を使い、復讐を始めていきます。
このように本作品は、モンスターと人間の負の側面で挟まれているかのような、ドス黒い雰囲気の中で物語が展開されていくのです。
「光のない物語を読みたい」そんな方には、ぜひオススメの作品です。

見どころ②:身の毛もよだつ歪な感性

本作品の見どころの2つ目は、依里花の歪な感性です。
依里花はクラスメイトから悪質ないじめを受けていました。そして、人間の悪意に晒され続けた結果、依里花の感性は大きく歪んでしまっています。
そんな依里花のモノローグに戦慄することは避けられないでしょう。あまりの出来事に「依里花は真面目にそう考えているの?」と、思考が追いつかなくなるほどです。
依里花は、暴力を振るってくる相手に、散々無価値と罵られてきた過去があります。その影響からか、特殊な力を得たあとは「暴力を振るえるような立派な人間になろう!」と決意しています。
また、物語冒頭で男子学生を切り付けている場面では「肉を斬るのは調理実習以来だ」といったような、どこかズレたモノローグが流れます。
依里花の感性の異常さについては、正直挙げ始めるとキリがありません。ぜひその目で確かめてください。
常人ならざる感性を持つキャラクターを楽しみたい方にも、ぜひオススメしたい作品です。

見どころ③:どこか温かい共依存的百合

本作品の見どころの3つ目は、互いの黒い部分を受容しあう百合です。
ひょんなことから、依里花は令愛と行動を共にすることになります。
出会った当初は「自己肯定感の低すぎる依里花とそんな依里花を励ます令愛」という構図でした。
依里花が「私を愛してくれる?」と煽るように言えば、令愛は肌を触れ合わせ『愛』を表現しようとするような具合です。
しかし、物語が進んでいくうちに、2人の関係は形を変えていきます。
気がつけば、「依里花に頼ってばかりだ」と謝る令愛を、依里花が「頼られると気持ちが良いから」と励ましているのです。
互いの黒さを本心から認め肯定し合う2人から「綺麗ではない、でもどこか温かみを感じる」百合を感じられます。
残酷な世界の中で温かな百合を楽しむことができるのも、本作品の魅力です。

デスループ令嬢は生き残る為に両手を血に染めるようです


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著者沙寺絃
イラスト千種みのり
レーベル講談社ラノベ文庫
発売年月2023年9月

本作品は「人狼」系デスゲームに巻き込まれたヘルミーナが、ゲームのクリアを目指す物語です。デスゲームでありながら、百合も楽しめる作品です。

見どころ①:命懸けの「人狼ゲーム」

本作品の見どころの1つ目は、命懸けのデスゲームです。
本作品は、突如始まった「邪神召喚の儀式」を中心に物語が進行していきます。
古城の敷地内に閉じ込められた8人のうち2人に『悪魔』が割り振られます。人間陣営は悪魔が誰かを推理し、悪魔陣営は自身が悪魔であることを隠しながら、人間を殺害していきます。
端的に言えば、人狼ゲームです。
しかしながら、私たちが行う遊びの人狼ゲームとは訳が違います。作中のゲームにおけるゲームオーバーとはすなわち死を意味します。「負けても次のゲームがある」なんてことはなく、失敗すればそこで人生は終わってしまうのです。
文字通り命懸けです。そんな状況下で繰り広げられる腹の探り合いは、重苦しく生々しいものです。
また、立場も異なります。本作品では、貴族やその従者、屋敷の使用人、エクソシストなど、様々な立場のキャラクターが登場します。ゲームの配役だけでなく、キャラクターの立場もゲームの展開に影響を及ぼしていきます。
人狼ゲームが好きな方や、緊迫感のあるデスゲーム作品を読みたい方にオススメです。

見どころ②:「ループ」により面白さが増す展開

本作品の見どころの2つ目は、デスゲームがループすることです。
本作品は、いわゆる「ループもの」の側面も持っています。
ヘルミーナは「ゲームで死亡すると、記憶を引き継いだ状態でゲーム開始前の時点に戻る能力」を与えられるのです。
ゲームにおける配役はループするごとに変わるため、それぞれのキャラクターの行動も、前回のゲームと異なっていきます。しかし、ゲーム開始以前から備わっている性格や過去は変わらないため、そこに関係する行動は常に一貫しているのです。
ヘルミーナは、ループを繰り返し参加者たちの情報を集めることで、ゲーム攻略へと近づいていきます。
8人中悪魔2人のゲームでは、いささか物足りなさを感じるかもしれません。しかし本作品では、ループによって新たな面白さが生み出されており、十二分に楽しむことができます。
一風変わった人狼ゲームを味わってみたい方にもオススメです。

見どころ③:デスゲーム×百合

本作品の見どころの3つ目は、デスゲームの中で垣間見える百合です。
本作品では、貴族であるヘルミーナとその従者のシャルロッテによる百合が描かれていきます。
ヘルミーナにとって、シャルロッテは、主従関係を超えた大切な存在です。そのためヘルミーナは、自分とシャルロッテの2人での生存を目指し、ゲームに挑んでいきます。
そしてシャルロッテもまた、ヘルミーナを強く慕っています。
そんな2人を中心として描かれる本作品では、デスゲームの中に輝く百合を堪能できるのです。大切な人のためならば自らの手を汚すことや自らの命を犠牲にすることも厭わない、そんな想いの強さを味わうことができます。
また、大切な人の胸で泣き崩れるシーンや大切な人の言葉で心を取り戻す展開もあり、感動で胸を満たすこともできます。
そして最後は「デスゲーム×百合」らしい結末を迎えるのです。
ループするデスゲームと百合を同時に楽しめるのが、本作品ならではの魅力です。

猫ノ山寧々子はネコになる


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著者ひのはら
イラストミト
レーベルエンターブレイン
発売年月2022年12月

本作品は、自己肯定感の低い2人が、言葉や体での触れ合いを通して、心を溶かしていく物語です。

見どころ①:物語に深く関わる「種族の特性」

まず、本作品の特徴として、猫の「発情期」や吸血鬼の「吸血衝動」といった種族の特性が、ストーリーに組み込まれている点が挙げられます。これらの特性は、2人が近づくきっかけになることもあれば、距離が離れてしまう原因にもなっていて、物語を動かす要因の1つになっているのです。
また、猫の耳や尻尾を触って可愛がったり、血を吸う前に唇で肌に触れたりと、各種族の特性を生かしたスキンシップも登場します。
ケモ耳や吸血鬼などの亜人種が好きな方にはぜひオススメです。

見どころ②:自分を受け入れられるようになっていく物語

本作品の見どころは、自己肯定感の低い2人が、自分を受け入れられるようになっていく過程です。
寧々子は、想い人であるましろの「吸血パートナー」として、同棲生活を始めます。この生活を機に、2人は変わっていきます。
寧々子は、普通の人間とは違う自分自身の姿にコンプレックスを感じていました。しかし、ましろから容姿を褒められたことで、徐々に自分を受け入れられるようになっていきます。
ましろもまた、自分自身にコンプレックスを感じていました。ましろは、自身の吸血鬼の特性が原因で、心に深い傷を負っていたのです。
そんな2人が、時間を共にし、互いに好意を伝え合うことで、少しずつ自分を肯定できるようになっていく様子が描かれています。
読んでいるこちらも心が溶かされていくような、心温まるストーリー展開は必見です。

見どころ③:濃厚なスキンシップ

もう一つの大きな魅力は、キスをはじめとした濃密なスキンシップが多く描かれていることです。
本作品では、大小含めるとかなりの頻度で体の触れ合いが行われています。もはや、中盤以降は場面が転換する度にキスをしているのではないかと錯覚する程でした。
キスシーンが好きな方や体の触れ合いによる愛情表現が好きな方には、ぜひオススメしたい作品です。

ふつおたはいりません! ~崖っぷち声優、ラジオで人生リスタート!~


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著者結城十維
イラストU35
レーベル電撃の新文芸
発売年月2023年9月

本作品は、声優ラジオを舞台とした、女性声優同士の百合作品です。「全ての声優ラジオの裏側がこうであって欲しい!」と思ってしまうような百合を堪能できます。

見どころ①:「夢を諦めきれない」主人公

本作品の推しポイントとして、まず「夢を諦めずに追いかけ続けている主人公」が挙げられます。
主人公の奏絵は、いわゆるオワコン声優です。デビュー直後に主役を射止め、躍進を遂げたものの後が続かず、大きな仕事を得られないままズルズルと声優を続けています。
そんな「成功できないけど、見切りをつけられず、続けてしまっている人」の姿が、高い解像度で描かれているのです。
「少し上手くいったら調子に乗ってしまう」「『順調』が不安」といった、夢を追いかけた人なら共感できるような苦悩が描かれていて、奏絵に感情移入でき、胸が痛くなります。
また、掴んだチャンスを逃すまいと、泥臭くひたむきに頑張る姿に胸を打たれます。
そしてそんな苦悩があるからこそ、乗り越えたときの感動はひとしおであり、百合もまた輝くのです。

見どころ②最悪の出会いから「かけがえのないパートナー」へ

本作品の百合ポイントは、共にラジオパーソナリティを務める、奏絵と稀莉の関係性にあります。
奏絵の稀莉に対する第一印象は最悪でした。同じ現場で仕事をしているのに奏絵の名前を覚えておらず、ラジオの顔合わせの際には握手すらしてくれませんでした。しかし、生意気な稀莉に触発される形で奏絵はやる気を出し、より良いラジオをつくりあげようと奮闘していきます。そうしているうちに、2人の関係は、形だけの相方から、かけがえのないパートナーへと変わっていくのです。
また、物語が進むに連れて、稀莉も別の一面を見せていきます。奏絵の演じたキャラクターの好物を覚えていたり、奏絵と間接キスをして赤面したりと、稀莉の印象が変わっていきます。そんな稀莉の密かに抱えた想いにより、2人の関係はさらに形を変えていくのです。そして、2人の関係が行き着いた先の結末であるラストシーンでは、度肝を抜かれること間違いなしです。

見どころ③声優のお仕事系作品としても楽しめる

また、本作品の特徴として、声優や声優ラジオの裏側を知ることができる点が挙げられます。
本作品の作者である「結城十維」さんは、実際にアニメ業界で働かれています。そのため、声優や声優ラジオのリアルな実情が存分に描かれているのです。「面白い声優ラジオの特徴」や「声優ラジオの収益の上げ方」など、素直に勉強になる内容も多々ありました。
このように本作品は、声優にフォーカスしたお仕事系作品としても楽しめるため、声優や声優ラジオ、アニメ、お仕事系作品が好きな方にもオススメです。

わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)


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4.0619

著者みかみてれん
イラスト竹嶋えく
レーベルダッシュエックス文庫
発売年月2020年2月

本作品は、ひょんなことから真唯に恋愛感情を抱かれるようになったれな子が、ラブコメを送りつつも、自分と向き合い、新たな関係を築いていく物語です。

見どころ③:炸裂する「オタクコミュ弱あるある」

本作品の魅力の1つが、コミカルなモノローグや掛け合いです。
本作品の主人公であるれな子を端的に表現すると「オタクコミュ弱陰キャ女子高生」です。
れな子は、根暗で友達のいなかった中学生時代の自分から変わろうと努力し、高校デビューを果たしました。しかし、変えられたのは外見のみで、性格は卑屈なままでした。
そんなれな子のモノローグや会話では、コミュニケーションが苦手な人やサブカル好きな人のあるある話や、秀逸な例えが多く挙げられています。「喋るたびにマジックポイントを消費する」「ふたりきりなら少しは話せる」「種族:真唯」など、れな子と似たような属性を持つ方であれば、共感し思わず笑ってしまうものばかりです。

見どころ②:押しに負けて「イチャイチャ百合展開」に

コミカルなだけでなく、女の子同士のイチャイチャも存分に描かれています。
親友になりたいれな子と、恋人になりたい真唯は、2人の関係性をかけて、勝負をすることになります。勝負内容は「親友として接する時間と、恋人として接する時間を交互に設け、相手に親友(もしくは恋人)の良さを知らしめる」というものです。
親友の素晴らしさを伝えようと意気込むれな子でしたが、真唯の勢いに圧倒されてしまいます。そして真唯に押されるがままに、さらなるイチャイチャ展開へと発展してしまうのです。
デートのあと、雨で濡れた体を温めるため、一緒にお風呂に入り、真唯の勢いに流されるままさらにその先へ……といった展開もあるほどです。
女の子同士の仲睦まじい触れ合いを楽しみたい方にもオススメです。

見どころ③2人だけの関係へ

そんな本作品ですが、笑いと萌えだけではなく、キャラクターが自身の根本的な問題に向き合う様子も描かれているのです。
真唯の気持ち、そして自身と向き合ったれな子は、胸のうちを伝えるため、真唯のもとへ向かいます。
そして、れな子と真唯の関係は、2人だけのものへと形を変えていきます。
本作品ならではの結末は、一見の価値ありです。

週に一度クラスメイトを買う話 ~ふたりの時間、言い訳の五千円~


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3.7176

著者羽田宇佐
イラストU35
レーベル富士見ファンタジア文庫
発売年月2023年2月

本作品は、交わることのないような2人が、些細なきっかけから異質な関係を持つ物語です。一筋縄では行かないような、一味違う百合を味わいたい方にオススメの作品です。

見どころ①常軌を逸した「約束」

本作品の特筆すべき点は、まずなんと言っても、2人の間で行われる「約束」です。
「週に一度、宮城が仙台に5000円を支払い、仙台の時間を買う」という約束が、本作品のストーリーの鍵になっています。
この約束の何がすごいのかというと、普通では考えられないような命令が繰り出されることです。
なんと物語が始まって間もない段階にも関わらず、約束によって、宮城が仙台に「足を舐める」よう命令するシーンが描かれているのです。
さらに、物語が進むごとに、命令の内容はエスカレートしていきます。
特別仲が良いわけでもない2人の間で、特別な間柄でないとできないようなことが行われる様子は、見ていて背徳感を煽られ、ゾクゾクしてきます。

見どころ②「約束」がもたらす2人だけの関係

約束から始まり、約束しか接点のなかった宮城と仙台の関係は、いつしかそれぞれに意味を持つものへと変わっていきます。
2人は別に、仲が良いわけでも、相手に特別好意を抱いているわけでもありません。
宮城と仙台の出会いは、宮城の気まぐれのようなものでした。
そして2人が会っているときに行われるのは、常軌を逸したような命令です。
しかし、それでも2人は約束を続けるのです。
この異質な関係に対する2人の思いの変化は、少しずつ、しかし確実に表れていきます。
「宮城の部屋だけで見せる仙台の様子」「スクールカーストの差から生じる劣等感」「命令から生じる優越感」「なぜか感じる居心地の良さ」など、様々な感情が入り混じり、2人の関係は形容し難い、2人だけのものへと形を変えていきます。
自分の気持ちさえよく分からなくて、相手に思いを伝えることを躊躇ってしまうような、不器用で面倒くさい女の子2人の行き着く先を、ぜひ見届けてください。

見どころ③入れ替わる一人称視点

また、本作品の特徴として「語り部の入れ替わり」が挙げられます。
本作品は、一人称視点で描かれているのですが、章が変わるたびに、宮城と仙台で語り部が入れ替わるのです。
これにより、前章の行動の意図が語られ「そういうことだったのか」と納得できる、といった楽しみ方もできます。

「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい 1


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著者kiki
イラストキンタ
レーベルGCノベルズ
発売年月2018年7月

本作品は、勇者パーティを追放され奴隷になってしまったフラムが、大切な人のため、迫り来る困難に立ち向かっていくダークファンタジーです。
そして本作品は、「可哀想は可愛い」と「熱い百合」、そして「ピュアで甘い百合」を同作品で楽しめる、まさに一口で三度おいしい作品です。

見どころ①「可哀想は可愛い」を堪能できる

まず特筆すべき点は、主人公であるフラムがかなりの肉体的苦痛を受けることです。
フラムは自身のスキル「反転」の恩恵により、再生能力を手に入れます。しかしそれ故に、作中では様々な攻撃をその身に受けてしまいます。また、ときには自らの意思で、自身の体を犠牲にしていきます。
率直に言って、かなりグロいです。
具体的な例を挙げますと、魔物に体を噛みちぎられたり、魔法によって足を引きちぎられたりします。
グロ描写が苦手な方は注意が必要です。しかしながら、いわゆる「可哀想は可愛い」が好きな方には、ぜひオススメしたい作品です。

見どころ②大切な人への想いを糧に戦うフラム

そんな痛みを受け続けるフラムですが、心は決して折れず、障害を乗り越えようと抗い続けます。
そしてフラムの心には、いつだってミルキットへの想いがあるのです。
フラムとミルキットの出会いは偶然に等しいものでした。しかし時を共にするうちに、フラムにとってミルキットは、いつしか大きな存在になっていました。
家で自分の帰りを待つミルキットの姿を思いながら、フラムは前に進み続けるのです。
何度体に傷を負おうとも、強大な敵が立ちはだかろうとも、ミルキットへの想いを糧に、諦めずに立ち向かっていく、そんなフラムの姿は、読んでいるこちらの心までも熱くしていきます。
そして、立ちはだかる障害が強大であるが故に、フラムのミルキットへの想いの強さがより一層輝くのです。
この関係性はまさしく「熱い百合」と呼べるでしょう。
「百合でも熱い思いをたぎらせたい!」そんな方にもオススメの作品です。

見どころ③ピュアでじれったい百合

そして実は、甘々な百合もあるのです。
あんなにグロい展開が描写されていたとは思えないほど、フラムとミルキットの、ピュアでじれったくて甘いやりとりが描かれています。
フラムがミルキットに「かわいい」と言ってミルキットが赤面したり、頬を染めるミルキットを見てフラムもなんだか恥ずかしくなってしまったりなど、読んでいて居た堪れなくなってしまう触れ合いが繰り広げられます。
困難を乗り越えてきたからこそ、2人のイチャイチャの甘さは格別なのです。

百合に挟まれてる女って、罪ですか?


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3.9277

著者みかみてれん
イラストべにしゃけ
レーベル電撃文庫
発売年月2020年11月

本作品は、2人の女の子に迫られるストーリー展開や、予想できないラストが魅力の作品です。

見どころ①:1読で2度美味しい百合

本作品の特筆すべき点は、全く異なる2人の女の子からのアプローチを堪能できることです。つまり、1作品で2通りの百合を味わえるのです。

正反対の魅力を持つ 2人のヒロイン

まず、楓は身長160㎝以上ある、綺麗系な美少女です。クールな雰囲気を纏いながらも、穏やかな振る舞いをします。
そんな楓は、柔らかく優しく甘えさせてくれて、心に染み込んでくるようなアプローチをしてきます。
対して火凛は、ふわふわした雰囲気の可愛い系な美少女です。しかし見た目とは裏腹に、本性はドSというギャップを持っています。
そんな火凛は、自分のペースに引きずり込むような、強引で苛烈なアプローチをしてきます。
2人の美少女からのアプローチに、茉優と同じく、心を溶かされてしまうこと間違いなしです。

異なる魅力を味わえるスキンシップ

また本作品では、ボディタッチやキス程度の触れ合いも行われます。
「スキンシップはしてほしいけど、過激すぎるのはちょっと……」という方にぴったりの作品です。
そしてもちろん、ボディタッチやキスも、楓と火凛の両方から行われます。
2人は違う魅力を持っているので、同じキスシーンでも、全く別の味わいを堪能できます。
まさに、1冊で2度美味しい作品なのです。
「1つの作品で異なる百合を楽しみたい!」という方に、ぜひオススメな作品です。

見どころ②:形を変えていく3人の関係性

物語の展開とともに変わっていく3者の関係性も、本作品の見どころの1つです。
この作品は、楓と火凛が茉優を取り合うだけではありません。なんと楓と火凛の間には、幼少の頃から並々ならぬ因縁があるのです。
2人の因縁は、過去のある出来事がきっかけでした。その影響で物語冒頭から、楓は火凛に対して感情的になり、火凛は楓を逆撫でするように挑発していきます。
そして、展開が進み楓と火凛の過去が明かされていくにつれて、物語は形を変えていくのです。
楓と火凛の過去に何があったのか、どうして 2人は犬猿の仲になったのか、そして勝負の行方はどうなるのか、それらの要素が組み合わさり、物語は思いもよらぬラストを飾ります。
しかし紛れもないハッピーエンドです。読んでいて胸が温かくなること間違いなしです。
そんな物語の結末を、ぜひその目で見届けてください。

ひきこまり吸血姫の悶々


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3.8372

著者小林湖底
イラストりいちゅ
レーベルGA文庫
発売年月2020年1月

見どころ①:思わず笑ってしまうコミカルな掛け合い

本作品の見どころの1つ目は、笑える面白さです。
物語序盤から中盤では、思わずお腹を抱えて笑ってしまうほどのコミカルな掛け合いがふんだんに盛り込まれています。
コマリは部下からの下剋上を防ぐため、自身の弱さを隠しながら、将軍として活動していきます。その過程が面白おかしく描かれており、とても笑えるのです。
コマリは強者を装おうとして「小指一本で殺せるぞ!」と、簡単に嘘だとバレてしまうような発言をしてしまいます。しかしそれを聞いた第七部隊の面々は「マジかよ……!」「すげぇ……」などと驚愕し、コマリの発言を信じてしまうのです。
このような、思わず笑ってしまうコマリの強者偽装とそれを間に受ける周囲という構図が、非常に面白いです。
下剋上を防ぎつつ家で引きこもっていたいコマリ、コマリのサポートと称し突拍子もない行動をするヴィル、コマリを崇拝する荒くれ者集団の第七部隊というあまりにも濃い要素で、爆笑必至のコメディに仕上げられています。
その面白さをぜひ堪能してください。
いっぱい笑いたい方にぜひオススメしたい作品です。

見どころ②:笑えて萌える百合から熱く感動的な百合へ

本作品の見どころの2つ目は、萌える百合です。
本作品の百合は、セクハラまがいのスキンシップをしてくるヴィルとそれにたじたじなコマリという構図です。
ヴィルは、コマリのベッドに入り全裸で添い寝していたり肌に直に触れてきたりと、度を超えたスキンシップをします。
コマリの父曰く、コマリは1億年に1度の美少女らしいので、ヴィルがセクハラをしたくなるのも無理はないのかもしれません。
しかし、ヴィルの一方通行の愛だけでは終わりません。最初はヴィルを邪険に扱っていたコマリも、ヴィルが自分のために働いてくれる様子を見て、徐々に好意を抱いていきます。
そして物語が進み、 過去が明かされることで、 2人の関係性は形を変えていきます。
実は、ヴィルがコマリにここまで愛を向けるのには、理由があったのです。
そしてコマリが真実を知った時、笑えて萌える百合から、熱く感動的な百合へと変貌を遂げるのです。

見どころ③:怒涛の激アツ展開

本作品は、笑えて萌えるだけでは終わりません。終盤の怒涛の激アツ展開が、この作品の真骨頂なのです。
物語中盤、コマリの平穏な将軍生活は唐突に終わりを迎えます。
コマリの祝勝会に、テロリストが現れます。なんとそのテロリストは、コマリを引きこもりに追いやったいじめっ子でした。
そしてそのテロリストの手によって、コマリとヴィルは窮地に陥ってしまうのです。
この時点から、物語の雰囲気は一変します。もはや同じ作品なのか疑ってしまうほどです。
コマリが血を嫌いな理由、コマリの過去、ヴィルがコマリへ抱く思い、それらの伏線が一気に回収され、物語はさらなる盛り上がりを見せます。
自身の無力さに挫けそうになりながらも、コマリは過去に向き合い、立ち向かっていくのです。
少年漫画のような、熱い展開が好きな方にも、ぜひオススメな作品です。

獄門撫子此処ニ在リ


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著者伏見七尾
イラストおしおしお
レーベルガガガ文庫
発売年月2023年8月

見どころ①:圧倒的和風現代怪奇譚

緻密で壮大な和の雰囲気

本作品の見どころの1つ目は、世界観です。
本作品では、撫子とアマナが怪異現象を調査し、化物を退治していきます。その物語の本筋が、惚れ惚れするほどの和風な世界観で彩られているのです。
作中では風水や古典などが根拠として登場し、非常に説得力のある、濃い和の雰囲気を堪能できます。
まさに圧倒的という言葉が相応しいほどの、緻密で壮大な世界が広がっています。
式神、怪異、怨霊などの、和風怪奇譚ものが好きな方には、ぜひオススメしたい作品です。

和風テイストバトル

そんな世界観の中で行われる、激しい戦闘も、本作品の見どころの1つです。
主人公の撫子は、仏教における『六道』をモチーフにした鎖を武器に戦います。六種類の鎖は、それぞれ索敵や武器生成、式神召喚など別々の効果を有しています。状況に適した鎖を繰り出していくのが、撫子の戦闘スタイルです。
さらに各話で登場する化物の攻撃方法も、世界観に沿いつつも個性的です。読み進めるほどに「次はどんな能力なんだ」と興奮を覚えます。
そんな撫子と化物の戦いは、実に壮観です。卓越した文章力も相まって、思わず息を飲んでしまうことでしょう。
和風テイストのバトルを楽しみたい方にもぜひオススメしたい作品です。

見どころ②:変わりゆく撫子とアマナの関係

本作品の見どころの 2つ目は、撫子とアマナの関係性とその変化です。

徐々に近づく心の距離

撫子とアマナは、キスやスキンシップなどの親密な触れ合いをするような間柄ではありません。本作品では、広義的な百合が描かれていきます。
化物探しに誘うアマナと、美味しい食べ物につられて渋々同行する撫子という構図です。軽口を叩き合いつつも、ピンチの時は協力し合う、なんだかんだで良いバディといった 関係性です。
しかし、 物語が進むにつれて近づく 2人の距離を見ていると、確かな尊さを感じられます。
2人の関係は、利害の一致するだけの知り合いから、一緒に行動する友達へと変化を遂げていきます。
特に次第に撫子の中でアマナの存在が大きくなっていく様子は必見です。
そして 2人の過去が明かされていくにつれ、 2人の関係もさらに形を変えていきます。

2人の関係の行き着く先

撫子とアマナの関係が深まっていくとともに、2人の抱える内情も徐々に表れていきます。
撫子は、鬼の肉体を有しています。しかし心までは鬼のものではありません。化物と激闘を演じつつも、時には些細なことに悩んだり胸を痛めたりするのです。そんな撫子の姿を見ていると、切なさを感じます。
対してアマナは、自分を「普通の人間」だと評します。しかし、事あるごとに「私は普通の人間だ」と強調する姿は、まるで普通の人間に固執しているかのようです。
普段のアマナは飄々としていて、掴みどころのない女性です。しかし、時折描かれるアマナのモノローグでは、アマナの抱えるものの深刻さが見え隠れします。
物語中盤から終盤では、撫子とアマナの過去や正体が明らかになっていきます。果たして撫子とアマナは、どのような結末を辿るのでしょうか。
中でも「あなたさえいなければ、わたしは鬼でいられたのに」のシーンは、胸が熱くなること間違いなしです。
「鬼の身体にヒトの心を宿す少女と、ヒトの身に異形の魂を抱える2人」の物語の結末を、ぜひ見届けてください。

性悪天才幼馴染との勝負に負けて初体験を全部奪われる話


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著者犬甘あんず
イラストねいび
レーベル角川スニーカー文庫
発売年月2023年12月

見どころ①:嫌い同士により行われる濃厚なスキンシップ

気持ちと相反する触れ合い

本作品の見どころの1つ目は、 気持ちとは相反する濃厚なスキンシップです。
本作品で描かれるのは、ただのスキンシップではありません。相手を嫌うもの同士によるものなのです。
わかばも小牧も相手を嫌っています。にも関わらず2人の間では、好きな者同士でなければしないような、濃厚なスキンシップが行われていくのです。
この相手を嫌う者同士によるスキンシップこそが、本作品の魅力の1つです。

相手の記憶に刻みつけるかのようなキス

勝負に勝たない限り、わかばは尊厳を奪われたままです。そんな状況なだけあって、わかばに対して小牧が行うスキンシップは、生半可なものではありません。
この作品は、わかばが小牧にキスをするシーンから始まります。小牧は、触れただけのキスでは済ませてくれません。初めてのキスにも関わらず、舌まで絡めてきます。さらに、わかばの気が逸れていると感じるや否や、わかばの鼻を指で塞ぐことで、わかばの意識を自分へと強制的に切り替えさせるのです。
このように本作品では、まるでわかばの記憶に刻みつけようとしているかのような、苛烈なスキンシップが行われていきます。
そしてわかばも、嫌いな相手とこんなことしたくないと思いつつも、行為自体に気持ちよさを感じてしまうのです。
嫌いな者同士による濃厚な触れ合いには、感情を揺さぶられ、新たな百合を感じられます。
思わずゾクゾクしてしまうような百合を堪能したい方にオススメです。
また、冒頭のキスシーンは、作品紹介動画で音声付きで描かれているので、気になった方はぜひチェックしてみてください。https://youtu.be/ZrZzzvziWkw?si=Mde3k0jnOFt_C1rX(外部リンク)

見どころ②:わかばの心理描写

本作品の見どころの2つ目は、わかばのモノローグです。
小牧がわかばに嫌がらせをするだけではないのが、この作品のポイントです。
本作品は、わかばの一人称視点で進行していきます。そのわかばのモノローグでは、自分が抱える小牧への思いについて、自問自答していく様子が描かれています。
わかばと小牧が不仲になったのは、中学生時代のある出来事がきっかけでした。それまでは、不仲ではなく、むしろ仲が良かったのです。わかばは、小牧の変化に戸惑い、動揺していました。
わかばが小牧に向ける『嫌い』には「大切な人にもう変化して欲しくない。だから小牧にはこのまま嫌っていてほしい」という思いが込められていたのです。
「嫌いではあるが、不幸を願っているわけではない。だから小牧を守るような行動もとってしまう」「昔は好きだったのかもしれない」など、わかばの心の揺れ動く様子が描かれています。
一言で嫌いと言っても、様々な感情が混じり合い、形容し難い色を纏っていることが表現されています。
このような一筋縄ではいかない複雑な感情に対して、わかばがどう向き合っていくのか、ぜひ読んで確かめてください。
人の感情の難しさ、複雑さを味わいたい方にもオススメです。

見どころ③:明かされる小牧の本心

本作品の見どころの3つ目は、小牧の本心です。
物語の最後の第五章は、小牧の一人称視点で描かれ、ついに小牧の本心が明らかになります。
なぜ小牧はわかばに嫌がらせをしていたのか、なぜ小牧は変わってしまったのか、どんな気持ちでわかばと接していたのかなど、わかばの視点では分からなかった謎が全て明かされます。
小牧の本心を知った時、驚愕し、思わず読み返したくなること間違いなしです。
その衝撃の事実を、ぜひその目で確かめてください。
小牧の気持ちを考えながら読むのも、本作品の楽しみ方の1つですね。

彼なんかより、私のほうがいいでしょ?


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3.7176

著者アサクラネル
イラストさわやか鮫肌
レーベル電撃文庫
発売年月2021年10月

見どころ①:生唾を飲み込んでしまう濃厚なスキンシップ

本作品の1番の見どころは、なんといっても、非常に濃厚なスキンシップです。
本作品は、鹿乃が音々を取られないために、音々を快楽に溺れさせてしまおうと意気込むところから幕を開けます。
そして鹿乃は、デートのシミュレーションと称して、音々に苛烈なスキンシップを仕掛けていきます。
本作品では、そんな女の子同士の濃厚な営みが、細かく丁寧かつ長く描かれているのです。
鹿乃が今どこをどのように触っているのか、鹿乃が触ったことで音々はどんな反応をしたのか、音々の反応を受けて鹿乃はどんな気持ちになったのか、などがありありと描写されています。
カラオケ店でのイチャイチャは、それはもう凄まじいものでした。耳から始まり、首や喉、胸へと進み、果てには下半身にまで手を伸ばしていくのです。
このような鹿乃と音々のスキンシップのシーンは、読んでいて、何度も生唾を飲み込んでしまいます。
女の子同士の濃厚なスキンシップを楽しみたい方には、ぜひオススメしたい作品です。
また、快楽落ちと言ってはいるものの、嫌がる相手を強引に組み伏すわけではありません。鹿乃は音々の承諾を得なければ手は出しませんし、音々も承諾しています。
そのため、強引に迫る展開が苦手な方も、安心して読んでいただけます。

見どころ②:鹿乃の心理描写

本作品の見どころの 2つ目は、鹿乃の心理描写です。
本作品は、基本的に鹿乃の一人称視点で物語が進んでいくため、存分に鹿乃の中で湧き上がる感情を味わえます。

せめる側の感情

まず、相手を気持ちよくさせる側、いわゆる『せめる側』のモノローグを楽しむことができます。
「相手が興奮してくれている=自分の愛撫が受け入れられている」と感動したり、自分も気持ちよくして欲しいと感じたりするなど、せめる側ならではの感情を味わえるのです。
そして前述したように、スキンシップ中の描写は、とても丁寧に描かれています。つまり、せめる側の心情を、存分に味わえる作品に仕上げられているのです。
百合における、せめる側の心理描写を楽しみたい方にもぜひオススメです。

気持ちいいけど苦しい

また、気持ちいいだけで終わらないのが、本作品のポイントです。
鹿乃の音々へのイチャイチャは、あくまでデートのシチュエーションという体で行なわれています。つまり音々の了承は、意中の男性への好意であり、鹿乃への好意ではないと捉えられるのです。
これにより、音々と体を重ね気持ちよさや満足感を得るほど、同時に鹿乃の心には虚しさや嫉妬も募っていきます。
そんな「気持ちいいけど苦しい」感情は、本作品ならではであり、本作品の魅力の1つです。

見どころ③:衝撃のラスト

本作品の見どころの3つ目は、物語の結末です。
様々なデートシチュエーションを重ねたことで、鹿乃は、様々な音々の「初めて」を奪うことに成功していきます。
そして鹿乃は、最後に女の子として重要な『初めて』をもらうことで、快楽落ち計画を締めくくろうとします。
果たして物語は、どのような結末を迎えるのでしょうか。
また、エピローグでは、音々のモノローグも明かされます。
音々はどんな気持ちで鹿乃と接し、鹿乃とのスキンシップを行なっていたのでしょうか。鹿乃の快楽落ち計画が成功していたかどうかも明らかになります。
物語の結末には、驚きと納得感を得られることでしょう。
ぜひご自身の目で確かめてください。

まとめパート

今回の「おすすめの百合作品15選」はいかがだったでしょうか。
一口に百合と言っても、様々な描かれ方があり、作品ごとに魅力も異なります。様々な作品に触れることで、より一層百合の魅力を味わうことができるでしょう。
ぜひ、今回紹介した中から、自分の好みに合う作品や今まで触れてこなかった作品を読んで、百合の世界に浸ってください。


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hutami

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埋もれてる名作を掘り起こしたい。 ラノベランキング&クチコミサイト「ラノベ空間」運営。 あなたの感想をお待ちしてます(登録不要) サイト:http://hutami-blog.com Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/@user-dx3wl7bk4y ご連絡はxまで。

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