ライトノベルのヒットに不可欠の要素、恋愛。近年はその形も多岐に渡り、百合やBLの人気も高まっています。
可愛い女の子同士、かっこいい男の子同士がいちゃいちゃするライトノベルには、そこからしか得られない栄養がありますよね。
同性だからこその悩みや葛藤、すれ違いを乗り越え結ばれた二人の絆は、なおさら得難いものに感じられてきませんか?
今回はときめき無限大の百合・BLライトノベル、おすすめ5選を紹介していきます。最後までお付き合いください。
愛を聴かせて 前編
著者 愛を聴かせて 前編, 倉橋燿子 イラスト 相原実貴 レーベル パレット文庫 発売年月 1995年5月
本作の見所は共にサボり癖を持ち、体育館の二階でだらだら時間を潰す女子高生・安達としまむらの日常。そのへんに寝転がり四方山話に興じていたかと思いきや、勝手に卓球部のネットを張ってピンポンしたり、ユル~いJKライフを満喫する姿に和みます。
しかしある時を境に関係が変化し、安達はしまむらへの恋愛感情を自覚。過去の失敗をことあるごと蒸し返し、くよくよ思い悩みがちな安達が犬だとすれば、しまむらはゴーイングマイウェイを貫く自由気ままな猫。
一緒に過ごす時間が長引くのに伴い、正反対のタイプの二人が互いを意識し、友達から一歩踏み出す様子にキュンとします。
安達としまむらの怪しい関係を軽口で茶化しながら程よい距離感で応援する友人たち、一向に本名が出てこないしまむらの妹、地元の釣り堀い通い詰める自称宇宙人で超能力者のヘンテコ少女など、個性的なキャラには事欠きません。
個性的な友人に恵まれたしまむらに対し、感情表現が苦手な安達には他に友人と呼べる存在がおらず、同居の母親とも上手くいってません。
それ故しまむらに向ける激重感情の拗らせ具合がたまらず、夏祭り中に目撃したある光景がきっかけで安達に電話をかけ、ノンブレスで問い詰めるシーンにはドン引き!安達の依存体質を面倒臭がり雑に扱うものの、結局突き放せないしまむらの甘さにもニヤニヤが止まりませんでした。
LOVE ME!!
著者 LOVE ME!!, 雨城まさみ イラスト 春野まみ レーベル パレット文庫 発売年月 1997年2月
『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』は、ある港町に転校してきた美少女・海野藻屑と、ひきこもりの兄の面倒を見る山田渚の物語。冒頭からショッキングなシーンが用意されており、最強の鬱ラノベとして名高いです。
本作の魅力は全体に影を落とす湿度の高い閉塞感、及び極限状況で紡がれる藻屑と渚の友情。
藻屑は横暴な父の虐待で体と心を病み、渚は経済的に逼迫した母子家庭で育ち、互いの不幸に惹かれ合うように共依存に陥りました。二人がこっそり家を抜けだし、星空を映す夜の海で泳ぐシーンのエモさは異常。転校初日に「海から来た人魚」を自称し、不思議ちゃんのレッテルを貼られ孤立した藻屑の真意がわかると、切なさが胸を締め付けます。
最初から最後まで渚の一人称で語られるのも本作の特徴で、一番身近な大人に頼れずだんだん追い詰められていく、切実な焦燥感を出すのに成功していました。
一日も早い自立を目指し、世界と戦える実弾を欲していた渚が、藻屑の捲し立てる現実逃避の妄想を「砂糖菓子の弾丸」にたとえて危ぶんだりと、リリカルな比喩を使ったパンチラインに注目。ラストを占める渚のモノローグには喪失感が際立ち、一生忘れ難い余韻を残しました。
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今野緒雪『マリア様がみてる』は古き良き少女小説の系譜を継ぐ、至高の百合ラノベ。純粋培養のお嬢様が学ぶミッション系女学園を舞台に、義理の姉妹制度「スール」で結ばれた、先輩と後輩の関係が描かれていきます。
物語の中心人物となるのは1年生の福沢祐巳と2年生の小笠原祥子。「タイが曲がっていてよ」と呼び止められる冒頭からしてインパクト絶大で、エレガントな祥子様の魅力に一目で魅了されます。
後日祐巳が所属することになる山百合会のメンバーも実に個性的で、各スールごとに異なる関係性を築いているのが見所。お互いに干渉しないサバサバしたコンビがいる一方で、片時たりとも離れないコンビがいたりと、様々な百合のカタチが楽しめました。
ミッション系女学園ならではのイベントも目白押しで、学校行事の企画運営を任された山百合会メンバーが、薔薇の館に集って仲良く会議する光景はとっても楽しげ。頻繁に開催されるお茶会の模様は、女子高への憧れを刺激してやみません。
筆者のお気に入りは島津由乃。
見た目は線が細くいかにも守ってあげたくなる病弱キャラですが、実際は人一倍頑固で芯が強く、従姉の支倉令を大事に想っている所が素敵。
下級生を口説かせたら天下一な佐藤聖のハンサムぶりと、顔がいいから許される、親父臭さにもときめきました。
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カクヨム発の百合ラノベ『週に一度クラスメイトを買う話~ふたりの時間、言い訳の五千円~』は、陰キャな女子高生がカースト上位の同級生の時間を五千円で買い、言うことを聞かせる話。
本作の特徴は宮城と仙台、買うほうと買われるほうの視点が交互する構成。これによって二人の考えていることが手に取るようにわかり、お互いを意識しすぎるが故のすれ違いに、もどかしさが募ります。
何もかも並な自分に自信が持てず、お金で仙台を束縛する後ろめたさと劣等感を拭い切れない宮城が、徐々に独占欲をエスカレートさせていく心理がリアルで引き込まれました。
一方の仙台も危なっかしさは似たようなもので、だんだんと秘密の関係に溺れ、過激な要求に応じ始めるところがインモラル。
言われるがまま宮城の脚をなめるなど、回数が嵩むに連れ大胆さを増していく行動に、ドキドキが止まりません。
仙台と宮城のクラスカーストが異なるのも重要なポイント。自分たちがしている事が周囲にバレたら何もかもぶち壊しになるスリル、それを薄々予期しながら禁じられたゲームにのめりこむ背徳感が、読者を引っ張るフックになっていました。
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最後に紹介する『ひきこまり吸血鬼の悶々』はアニメ化済みの人気作。吸血鬼一族の名家に生まれたコマリことテラコマリ・ガンデスブラッドが、父親のコネで帝国の将軍に就任し、ボロを出さぬようにイキり散らすストーリーは面白さ抜群。
雑魚メンタルでお世辞に弱いコマリのちょろ可愛さは言うに及ばず、彼女を皇帝にのし上げるべく全力を尽くす、ヴィルの献身ぶりが凄まじいです。
何でも余裕でこなす万能メイドと見せかけ、その本性はコマリを宇宙一愛してると公言して憚らない、セクハラ上等の変態メイド。主人への行き過ぎた愛情表現の数々に爆笑せずにはいられません。
反面いじめられてる自分を庇ってくれたコマリに感謝し、恩を返そうと尽くす心根が健気で泣かせます。
コマリも姉妹のように育ったヴィルに深い信頼をおいており、夜這いすらスキンシップとして許される、主従の絆に悶絶しました。
まとめ
以上、百合・BLライトノベル5選でした。気になる作品はありましたでしょうか?
恋する気持ちに性別は関係ありません。友情と愛情のはざまで迷い、手探りで答えを求める日々もまた青春の1ページですね。想いが通じ合った暁には、惜しみない祝福を贈りたいです。


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